ひとりぼっちの王子
九条 時雨side
警察から釈放され、家に戻ると手紙が入っていた。


空羅からだった━━━━━




急いで開ける。




【しーちゃんへ。
ごめんなさい、私は利玖を選びます。
晴ちゃんによろしく伝えて下さい。
どうか………
どうか幸せになって下さい。
しーちゃんと晴ちゃんと過ごした日々は、本当に幸せだったよ!
今まで、本当にありがとう。
空羅】





ガクッと、力が抜ける━━━━━
そのまま力なく、へたりこんだ。

「空羅…空羅…空羅………」

何度も、愛しい空羅の名を呼ぶ。
何度も━━━━━



「お兄?どうしたの………?
これ、手紙?
空羅ちゃんから!!?
嘘…なんで?」

俺は全て晴加に話した。
会社を解雇されたこと、空羅に全てのことを話したことも。


「え?あの人……
あの人が空羅ちゃんを奪った人だったなんて……!?
ごめんなさい!!お兄!私の…私のせいなの!!」




晴加の告白。
「私知らなかったの…ただ、彼を守りたい一心で……」




「晴加。もういいよ……もういいんだ……」
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