氷の貴公子は愛しい彼女を甘く囲い込む
プロローグ
 生れ落ちた時間が交差し、星の数ほどいる人間の中、
 お互いのたったひとりとして巡り会い、惹かれ、結ばれる。

 ドラマチックでも、ありふれていても、出会い自体が奇跡である。
 
 ――使い古されてきた言葉かもしれない。
 
 でも、その奇跡に、生きる意味を見出した。
 
 君に出会えた幸運に感謝した。
 
 自分が背負うものの重さや、生まれや環境の違いなど、関係ない。
 
 君と共に生きていきたい。僕が一生掛けて守るから。
 
 この奇跡を手放さない。
 
 ただ、それだけを思った。
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