厳島に散ゆ~あんなに愛していたのに~
突然の事態に、私も息を飲む暇もなかった。
まさか相良が、亀童丸さまのことで御屋形様に歯向かうような真似をして、その結果失脚してしまうとは。
私とて亀童丸さまのことは出自を疑っているし、あの彩子を御屋形様の側室と認めたくもない。
だが何もできないでいるうちに、相良は館を去り、障害がなくなったため御屋形様はすんなりと亀童丸さまの元服を強行。
そのまま亀童丸さまは「大内義尊(おおうち よしたか;御屋形様と同じお名前)」として、次期当主の地位が約束されてしまった。
三つの誕生日を迎えるより早く。
そして生母の彩子は正式に側室の地位を与えられ、「おさいの方」と呼ばれるようになった。
私にとっても一連の不本意な出来事ではあったが、結果的に相良が失脚したこともあり、大内家第一の重臣の地位を取り戻すことができた。
久しぶりの日の当たる場所に、私の使命感に再び火が付いた。
同時に……。
もう一度、御屋形様との間に生じた隙間を埋めて見せるとも、心の奥で誓ったのだった。
まさか相良が、亀童丸さまのことで御屋形様に歯向かうような真似をして、その結果失脚してしまうとは。
私とて亀童丸さまのことは出自を疑っているし、あの彩子を御屋形様の側室と認めたくもない。
だが何もできないでいるうちに、相良は館を去り、障害がなくなったため御屋形様はすんなりと亀童丸さまの元服を強行。
そのまま亀童丸さまは「大内義尊(おおうち よしたか;御屋形様と同じお名前)」として、次期当主の地位が約束されてしまった。
三つの誕生日を迎えるより早く。
そして生母の彩子は正式に側室の地位を与えられ、「おさいの方」と呼ばれるようになった。
私にとっても一連の不本意な出来事ではあったが、結果的に相良が失脚したこともあり、大内家第一の重臣の地位を取り戻すことができた。
久しぶりの日の当たる場所に、私の使命感に再び火が付いた。
同時に……。
もう一度、御屋形様との間に生じた隙間を埋めて見せるとも、心の奥で誓ったのだった。