厳島に散ゆ～あんなに愛していたのに～

　陶家は先祖代々、大内家を重臣として支えてきた。


　大内家を支える重臣は数多くいるものの、陶家はその筆頭の地位を占めている。


　まさに筆頭家老。


　周防国の守護を務める大内家の当主は、京の都の将軍家からお呼びがかかった際。


　周防から遠路はるばる軍勢を引き連れて上京し、将軍の補佐として働くこともあった。


　その際守護の代理として、陶家の当主は「守護代」の地位を与えられ、当主不在の間政務を代行していた。


　大内家あっての陶家であるのと同様に。


　陶家なくしては、大内家は立ち行かなくなったと言っても過言ではなかっただろう。