今夜はずっと、離してあげない。
きらめいた夜
*
ミーンミーン、とセミがうるさい日々。
「………え、マジ?」
「まじです」
ぽろり、と私の今日のお昼のおにぎりを落としそうになった先輩は、目をこれでもかとかっぴらいている。
「せっかくの花のJKの夏休みだっていうのに、バイト以外何も予定ナシなんてある?!」
「ここに実例がいます」
実例にしちゃダメだよ?!と声を荒げる先輩は、夏休みの予定が埋まりに埋まり切ってるらしい。
数日前から、夏休みに突入した。
私は体調を崩したまま夏休みに入ってしまい、つい先日熱が下がって、学校に荷物やらなんやらを取りに行った。
さすがに千住サマが持ってきてくれるワケにはいかなかったし。
凛琉が持ってこようか?と言ってくれたけど、同居してることがバレたらあれなので、丁重にお断りした。