今夜はずっと、離してあげない。
「出し物決まったらおこして……」
「もう寝る体勢に入ってる……。早業すぎる」
凛琉の呆れた声を遠くに聞きながら、すうすうすやりと瞬く間に深い眠りにつき…………、
「……いつまで寝てんだコラ!!!」
「はいすみません!!!!!」
怒号のような怒鳴り声に、姿勢を正しながら飛び起きた。
がばりとまだ覚醒していない頭を急いで上げたからか、一瞬くらりと揺れる。
……と、背中を支えてくれる大きな手。
窓から差し込むオレンジに目を細めながら、ぱちぱちと瞬きをしてピント調整。
……すると、それを呆れたように見下ろす見慣れた顔が現れて、頭の中に瞬時にハテナが乱舞する。
「……いま、なんで千住サマがここに?って思っただろ」
「なんでわかったんですか?」
「顔に出過ぎだし、何より俺は氷高限定でエスパーだから」