今夜はずっと、離してあげない。
「今日も最高ですありがとうございますしかも掃除まで」
「お前、ほんとは部屋に入られるの抵抗ないだろ」
最初はあったんだけど、なあ……。
勝手に部屋片付けられるし、小テストの酷い点数見つけられるしで。
でも、探し物が今までより格段に見つけやすくなって、そもそも私が探さなくても不審者さんに聞けば見つけてくれるというなんともラクなことが発覚したから、抵抗なんてものはなくなっただけ。
……最初は母性くすぐりそうだとか思ってたけど、この人自身が実は義母さん気質で。
いつしかこの人のこと、義母さんって呼びそうで怖い。
「……お前、バイト入れすぎじゃね?」
「家に帰っても暇なだけですし」
「暇なら部屋を片せ」
「それは無理なご相談ですね」
そもそも、それができたらこんな家政夫……ごっほん。こんな不審者を家に置いたりなんかしてないよ。