今夜はずっと、離してあげない。




……そーいえば、今がチャンスなのでは?この世間話にのれば、フツーに何歳か聞けそう。




「あの────、」




あなた実年齢何歳なんですか?と、聞こうとした直後。


まるで、遮るように流れた着信音。




「あ、悪い」

「いえ。話すならキッチン行ってください」

「わかった」




ポケットから出した、真っ黒のスマホを耳に当てながら席を立った不審者サマ。


……もしかして、カミサマが聞くなって言ってるのかな?聞いたらヤバいぞって言ってる??

もしそうだったとしたら、それはそれである意味気になるけど……。



うんうん悩んでいると、電話を終えた不審者さんが戻って来た。



「それで??」

「……え??」

「なんかさっき言いかけてただろ」

「あー……、や、たぶん明日バイト遅くなるから、なにか惣菜でも買って帰ろうかなと思って、」

「いらね」

「デスヨネー」



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