今夜はずっと、離してあげない。
うん、あなたならそう言うと思ってた。
そこらへんのお店で買ってくる惣菜よりあなた様が作った物の方が美味しいもんね。確実に。
「んなことに無駄な金使うな」
「無駄……」
あなたは私のお母さんですか。
なんていうツッコミは、毎度のことながら心の中に留めておく。
「お前、ここに一人暮らししてるんだよな?」
「え?まあ、はい」
数ヶ月前、一人暮らしをせざるおえなくなったことがあって、今に至る。
そもそも一人暮らしするって決めてたなら、もっと家事スキルを身につけている。
「というか、いつ出ていくんですか?」
「出てく前提」
だって、ずっとここに置いておくワケにもいかないんですもん。
「帰る家があるならちゃんと自分の家に帰ってください。ご近所さんからも変な目で見られますので」
まあ、もともと訳アリだったから、気にしてるといえば嘘になるんだけど。