今夜はずっと、離してあげない。
自分でも自分の思考回路がよくわからなくて、頭をひねるばかり。
「あのさ、凛琉……」
「ん?なに?どうしたの?」
「この前凛琉がオススメしてくれたドラマあるでしょ……?」
「……?うん」
「それの主人公の気持ちがおえなくって……」
仕方ないから、凛琉にドラマの内容と題して相談することにした。
………なんか、正面きって相談するのは恥ずかしかったから。
「掃除も洗濯もできなくて、自分に利なんてひとっつもないのに、なんで他人を家に置いておけるのか、よくわからなくて……」
凛琉におすすめされて今観ているドラマは、ヒモ男をヒロインの家で飼っている、という倫理的に大丈夫かなと疑ってしまうような内容のもの。
伽夜は断じてそんな感じではないけれど、でも、もしも。
もしも、伽夜が何もしなくなっても、まだ家に居続けようとするならば──────
「え、そんなこと?そんなの、そばにいてほしいからに決まってるでしょ」
……私はきっと、それでも彼に家で待っていてほしいと思う。