今夜はずっと、離してあげない。
「……それで、なんの話があって、俺に連絡取ったわけ?」
やっぱり、私や千井や朝水くんに対して接する時よりも、すこしつっけんどんな態度と口調。
これが本来の伽夜、というよりも、たぶん、緊張から、かな?
「えっと……、おうちが燃えちゃったって聞いて、大丈夫かなって。新居も、決めてないみたいだし」
「それは出雲さんにも説明した通り、仲がいい人の家に泊めてもらってるって言ってあるだろ。宿泊代として、食費や俺の個人的な消耗品に関してはぜんぶこっち持ちだし、それを相手も了承済み」
「そ、そっか……。伽夜の人を見る目はすぐれてるから、きっと大丈夫なんだろうね」
いまにもため息をつきそうな伽夜と、口をもごもご動かしているお母さま。
……なんだか、こう、見ていて焦ったい感じがあるのは、なんでだろう。
「げん、……えと、その人とはうまくやれてる?」
「……まあまあ、やれてると思う」