今夜はずっと、離してあげない。
家電とか……?いやでも、さすがに家電は無理。高い。
「なら、手袋とかはどうですか?」
「……別にいらね」
「え、いま伽夜の手すごい冷たいですけど」
「……さむい時は、真生の手にぎるから、いい」
きょとり、ぱちぱち。
そんな風に目を丸くして、瞬いて。
「……あの、私の手は然程あったかくないですし、それで温まったとしても、反対の手はつめたいままですよ」
「……はあああ。これは鈍いとかそうじゃなくて、完全に適性がないだけだな、理解した」
「何を理解したんです?」
人がごった返すイルミネーションのもとへと歩きながら、手だけは絶対離さぬように。
いまはまだ、未来のこととか、よくわからないけど。
まあでも、とりあえず
ただいまをたずさえて、手を繋いで
あなたを置いていかないように
今夜もずっと、離してあげない
……なんて。
never ends