今夜はずっと、離してあげない。
ただいまの夜
*
「………、」
「……ねえ凛琉、」
「………、」
「ちょっと、凛琉ってば!!」
「わあっ!!!」
ぼけーっと、どこか一点を見つめていた凛琉の名前を大声で呼べば、びくっと肩を震わせてのけぞった。
「何回も呼んだんだけど、返事しなかったから。大丈夫?」
「あ、うん。ちょっとわたし、人生におけるすべての運を使い果たしてしまったらしくて……」
「どゆこと??」
いつも通り、凛琉の言ってるコトは半分以上わからない。
「あ、それで、なんだっけ?」
「や、この前バイトのヘルプ出たでしょ?その人が、今日のシフトかわってくれるって言うから暇になって、凛琉が前言ってたカフェにでもと、」
「行く!!!」
返事早い。
食い気味の気味が入らないぐらいの速さだった。