今夜はずっと、離してあげない。




げんなりした顔で言う千住サマは、やっぱり言葉の節々からおかあさんの片鱗が垣間見える。


そしてなぜか、隣にいる凛琉は朝水くんが現れた途端拝みだしたし。

……私の周り、自由マン多くない??




「類は友を呼ぶって言うけど、まさにコレか……」

「なんで私を見ながら言うの??」




まるで私も一員みたいな言い方やめて。

……え?一員じゃないよね??




「言っとくが、オマエも充分自由人だと思うぞ」

「エスパー?」




なんで心の中がわかるんだろう?そんなに顔に出てた?




「オマエは顔に出やすい」

「えっ、うそ……」




自分では出ない方だと思ってた分、割とショック。




「ほら、那吏、千井行くぞ」

「………っ」

「那吏あくびしないで。僕欠伸伝染しやすいから。っていうか、今更だけどなんでちず那吏のこと呼び捨てなのに僕は名字なの?!」

「知るか」



そんな会話をしながら、嵐という名の3人は教室へと去って行った。


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