Secret Detectives
階段を登っていくと、大きな木造のドアが現れる。その中からは賑やかな話し声が聞こえてくる。

「こんにちは」

ミシェルがドアを開けると、「こんにちは〜！」と探偵として事務所に所属している五人が挨拶を返してくれた。ミシェルは自分のデスクへ向かい、隣にいる金髪のショートカットに大きめのパーカーにショートパンツを履いた女子に話しかけた。

「キャメロン、今日は女の子の格好なのね」

「そう！今日は女の子の気分！」

キャメロンはニコリと笑い、パソコンをいじる。キャメロンは男性の格好をしたり、女性の格好をしたりする。男性の時は声が低くなり、女性の時は声が高くなるため、ミシェルたち探偵仲間でもキャメロンの本当の性別がどちらかはわからない。ただ年齢は十五歳だと教えてくれた。

「きゃあッ！村雨（むらさめ）！剣の素振りは外でやってちょうだい！」

「すまない、カレン殿」

侍のような格好をした村雨が日本刀を振り、銃の手入れをしていたトレンチデザインのワンピースを着たカレンが悲鳴を上げる。その様子を見て青いネクタイのついたブレザーに白いスカートを履いたアイリスが苦笑していた。
< 2 / 17 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop