御曹司、家政婦を溺愛する。
真 実(隼人side)
心臓が止まりそうなくらい驚いてる俺、バレてないよな?
全身で傲慢そうにソファに座り、余裕の笑みを浮かべる俺をしっかり演じようと必死だった。
それは「今日から家政婦を雇った」という身勝手な母が連れて来た家政婦に対しての態度だった。
親だろうと他人だろうと、来た奴らをみんな「帰れ」と言った。
昨夜、俺の秘書であり中学からの友人の関口俊介が、不貞腐れた俺をからかいに来た。香水臭い女たちを連れて。
関口に何を吹き込まれたか知らないが、アイツが帰っても女たちが残り、突然服を脱ぎ出して迫ってきた。
悪いが香水臭い女は、ヤる気にならない。てか、どの女も化粧が濃くて顔にどんだけ盛ってるんだと、げんなりする。
香水をタバコの臭いで誤魔化す。女たちのゾワゾワする声が聞こえないように音楽のボリュームを上げる。
しかし、それも母の連れて来た家政婦によって、一瞬で女たちを帰らせることに成功したのだが。
「家政婦」という彼女が今、俺の目の前に立っている。