バカな君へ、贈る愛

「珠華(じゅか)、おはよう」



「おはよう、真白(ましろ)」



西崎 真白(にしざき ましろ)は、わたし、雛形 珠華(ひながた じゅか)の親友。



「真白、いつもこの時間に学校来てるの?」



「ううん、今日は生徒会の仕事で」



頭のいい真白は、生徒会長も務めていて勉強もおろそかにせず、もちろん仕事もテキパキやるしっかり者。


そして、こんなわたしのことも友達という目で見てくれる、とってもいい人。



「珠華は?」



「んー、なんか家にいたくないし」



わたしはそう言って、笑ってごまかした。

いくら親友の真白にも、言えないよ。お父さんに「24時間以内に出て行け」と言われたことなんて。



「あー、なんかわかるかも」



「ほんと? わかる?」



「うん、あたしだってそういうことあるもん」



真白は、そう言ってそっとわたしの頭を撫でた。




< 10 / 52 >

この作品をシェア

pagetop