バカな君へ、贈る愛
「珠華(じゅか)、おはよう」
「おはよう、真白(ましろ)」
西崎 真白(にしざき ましろ)は、わたし、雛形 珠華(ひながた じゅか)の親友。
「真白、いつもこの時間に学校来てるの?」
「ううん、今日は生徒会の仕事で」
頭のいい真白は、生徒会長も務めていて勉強もおろそかにせず、もちろん仕事もテキパキやるしっかり者。
そして、こんなわたしのことも友達という目で見てくれる、とってもいい人。
「珠華は?」
「んー、なんか家にいたくないし」
わたしはそう言って、笑ってごまかした。
いくら親友の真白にも、言えないよ。お父さんに「24時間以内に出て行け」と言われたことなんて。
「あー、なんかわかるかも」
「ほんと? わかる?」
「うん、あたしだってそういうことあるもん」
真白は、そう言ってそっとわたしの頭を撫でた。