バカな君へ、贈る愛

「わりぃな。今更謝るかって話だけど……。俺としたことが、勝手なことしちまったよ……」



「う、ううんっ、気にしないで、ください……!」



むしろ感謝だよ。


いや、感謝よりもまだ驚きが上回っているけどね。

だとしても野宿より普通に家で暮らす方が過ごしやすいのは当たり前だし、まさかこんなに早く、しかも知らない男の子の家で暮らすなんて思いも寄らなかった。



「あのさぁ、敬語になったりタメ口になったりごっちゃなんだけど」



……そういえばそうだ。



「全部タメ口にしてくんね?」



「あっ……うん、わかった……」



敬語を反射的に使っちゃいそうだけどね……。



「あっ、そういえば。小さいけど、何歳?」



「じゅ、16です」



フラグ回収。

もう反射的に、です・ます口調だよ。



「あ、同い年か」



佐伯くんも16歳!?

ひええ、同い年でこんなに高身長だなんて……!




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