バカな君へ、贈る愛
下着やその他生活するために必要なものを買って、そのまま帰った。
もちろん、その時ばかりはついてもらうわけにはいかないから、おうくんには外で待っててもらったけどね。
「珠華、料理とかできる?」
「できるよ!」
わたし、料理は実は大好きで。
1番の趣味といっても、過言ではない。
……昨日までは、わたしがお父さんの分までご飯を作ってあげていたけれど、全然喜んでもらえなかったな。
「じゃあ、なんか作ってもらっていいかな。冷蔵庫、こんなだけど」
おうくんはそう言って、冷蔵庫を開ける。
「ちょっと見させてもらうね」
わたしは、おうくんが開けた冷蔵庫の中を覗く。
牛乳、卵、鶏肉、バター、そしてなぜか台所に薄力粉が出されている……そうだ!
「じゃあ作るから、おうくんは待ってて!」
「ほーい!」
ふふっ、可愛いな。食いしん坊な子供みたい。
わたしが作ったのは、ホワイトソースがたっぷりかかったオムライス。
料理は好きだから、勉強と違ってすぐ次々にいろいろ覚えられたし。
というか、テストでは自分の分かっていない部分が、自分でも分からないんだよね。
だって、料理は普通に手順を覚えればいいでしょう?
けれど、テスト勉強はそうはいかない。
板書したノートをそのまま覚えればいいわけじゃないし、プリントや教科書など目が回りそう。
分かりやすく書いてあるけれど、名前、説明、どこでどうなるのか、とややこしいし。
しかも、お母さんが生きていたことはケーキもよく一緒に作っていて、楽しかったな。