バカな君へ、贈る愛
翌日。
わたしは、いつものように学校へと向かった。
幸い、お父さんと住んでいた家とおうくんと一緒にいる家は、いうほど遠くなかったので同じような時間に出ても問題はなかった。
「珠華!」
教室に入ると、真白の声がわたしの耳に飛び込んでくる。
「真白!」
「おはよう」
「おはよー」
「あれ、大丈夫?」
真白は、黒目がちな目をくりんとさせた。
「いつも珠華って、テストが終わった後とかあんまり元気じゃないから。でも今日は元気そうじゃん?」
「あっ……」
うん、わたしはテストでは割といつも凹んだりすることが多い。
そのことを、ちゃんと真白も分かっていたことだった。
「まあ、いいけどね! 珠華の友達として、わたしは嬉しいよ! 珠華が元気なんて」
真白はそう言って、白くて冷たい指でわたしの頬をつつく。
「へへへ……」
真白は名前の通り。
肌は雪のように真っ白で、黒いセミロングに黒目がちの瞳。
そして、指はいつも冷たいけれど優しい性格をしている。