バカな君へ、贈る愛
学校の授業を終わらせ、家に帰ったらわたしは今日の晩ごはんを作る時間が迫っていたことに気がついた。
「晩ごはんの材料買いに行ってくるね!」
リビングでスマホをいじっていたおうくんに、わたしは声をかけると、
「ああ待て、俺も行く!」
と言いながら、彼はいそいそと準備を始めた。
「えっ?」
「なんていうか……お前ひとりで行って、何か大変なことあったら、敵わねえだろ」
「そんな……大げさだよ」
「んなことどうなるか分かんねーし、行くぞ」
まあ、確かに外に出れば交通事故に遭う可能性はゼロじゃないけど、今のおうくんは過保護すぎるというか、心配性がすぎるというか……。
まあ、いいや。
別に、おうくんがついてきて嫌なことはないし。
「今日は何にしよっか」
「俺オムライス食いたいー!」
「昨日食べたじゃーん」
おうくんって、こんなに可愛いところがあるんだ。
なんだろう、人は見かけによらない、っておうくんのことを言うのかな。
おうくんみたいな、髪の毛を明るく染めてて背の高い人って怖いイメージがあるけれどこうやって可愛いところがあると、心がふわふわしてしまう。