バカな君へ、贈る愛
珠華side
はぁ……。
家に帰りたくない。
というより、お父さんに帰ってきてほしくない。
お願い、時間止まって。
「はぁ……」
わたしの口から、ため息が出た。
お父さんと家にいたくない。
だって、テストでこんな低い点を取ったんだもの。
27と赤い字で記された数字。
圧倒的に丸よりもバツの方が多い紙。
数学の定期テストでこんな点数を取ったんだ。
こんな点数を、もしお父さんに知られてしまったら、どうなるか大体目に見えている。