バカな君へ、贈る愛
今日は、化学のテストが返ってきた。
32点。
一応赤点ではないけれど、こんな点数じゃあダメだ。
決して良い点といえる点数ではない。
ただ、隠しても隠さなくても意味がない。
わたしは正直に返ってきたテストを、お父さんに渡す。
「なんだこれは! 低すぎるんだよ、バカ野郎!」
お父さんの低い怒鳴り声が、わたしの脳をガンガンと打つ。
「誰が、お前が高校に通えるように金を稼いでやってると思ってんだ!」
お父さんは、会社のカバンでわたしの頭をガツンと殴った。
「いった……!」
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!
「なんて恩知らずな娘だ……! もう俺は我慢の限界だ! お前、24時間以内に出て行け! 俺は、もうお前を娘として見たくない!」
24時間以内……。
その間に出ていかなかったら、わたし、どうなるの?