バカな君へ、贈る愛
ピピピピ、ピピピピ。
目を開けた瞬間、真っ先に飛び込んでくるのは白い壁。
「朝だ……」
わたしは枕元で鳴っている目覚まし時計に手をかけて、音を止めた。
昨日の夜に、24時間と言われたので今日のうちに家から出ていかないといけない。
とりあえず、今日も学校だから行かないとだな。
今から出て行ったら、絶対学校には誰かいるかいないかくらい早い時間に着くだろう。
でも、なんだかどうでもいいや。
お父さん、きっとまだ寝ているだろうな。
わたしは、制服に着替えてスクールバッグの紐を握った。
わたしの机に飾っているのは、赤ちゃんだったわたしを抱いて美しく微笑んでいるお母さんの写真。
「お母さん、ごめんなさい。出ていきます」
わたしは、その写真に頭を下げて出て行った。