女神の加護? いいえ、ケフィアです。
乳製品レシピを広める為に
元々、母であるウーナは子持ちとは思えないくらい、若くて美しい。
けれど、ケフィアを食べてから一週間――その間に肌が目に見えて潤いを増し、しっとり艶やかになった。効果としては知っていたがここまで、しかも思った以上に早く結果が出ると驚くばかりである。
(これだけ早く、結果が出たってことは……言わないけどお母様、便秘気味だったのかも)
それがケフィアを食べ、老廃物が排出される代わりに美肌効果や保湿効果が出た結果だと思われる。母の名誉の為に、絶対に口には出さないが。
そんなことを考えていたら、ハンナ以外のメイド達がオリヴィアを取り囲んだ。
「お嬢様! どうすれば私達も、女神様の加護を受けられますか!?」
「奥様が、ますます美しくなって……」
「食べるだけで、あんなになるなんて!」
母の生活習慣や化粧などはそのままだと、身の回りの世話をしているメイド達はよく知っている。だからこそメイド達が気になるのは解るし、ハンナもオリヴィアを気遣って詰め寄りこそしないが、メイド達とのやり取りを気にしているのが解る。
(お母様の宣伝効果がすごい)
あれだけ顕著に効果が出たのだから、気持ちは解る。作るのを追加すれば良いので、渡すことに問題はない。しかし、家族と丈夫なヨナス以外に食べさせる場合は、注意事項の説明が必要だ。
「効果には、個人差があるの。だから、効果が出なくても落ち込まないでね? あと、体に合わなかったらすぐにやめること……皆、出来る?」
「「「はいっ」」」
「解ったわ。じゃあ、追加して作るから少し待ってね?」
「「「ありがとうございますっ」」」
「いやぁ、これなら今回の女神の加護には平民も飛びつくでしょうな」
話がついたところで、今まで黙って話を聞いていたヨナスが話を切り出してきた。
「今までレシピを買っていたのは貴族に仕える料理人か、富裕層を相手にする料理人でしたけど……値段的に、すぐすぐじゃないでしょうけど。パン窯自体は城下町のパン屋にもありますし。作り方自体は簡単ですから、大枚はたいても将来的には儲かるでしょうな」
「……そう? 広まって、くれるかしら?」
「お嬢様?」
ヨナスの言葉に、オリヴィアは尋ねた。
オリヴィアの目標は、ケフィアを始めとする乳製品を広めて、最終的には女神への奉納の儀を行うことだ。
完成し、こうして効果が出た以上はヨナスの言う通りになりそうだが――オリジナルレシピの値段は、他のレシピとの兼ね合いもあるので安くは出来ない。だから今までの乳製品レシピも、ある程度は売れたが貴族に仕える料理人や、富裕層を相手にする料理人にしか買われていないのだ。悪用はされずに済んでいるが、奉納の儀には平民も参加してほしいので、平民にも乳製品レシピを広めたいと思っているのだが。
「じゃあ、まずは城下町にオリヴィアのレシピが食べられる店を出すのはどうだ?」
「……ヴァイス?」
「安売りはしないけど、一回きりにならないように馬鹿高くはしない。それなら平民でも食べに来られるし、レシピの価値が解ればヨナスの言う通りに買うんじゃないか?」
問い返したオリヴィアにそう言って、ヴァイスはニッと金色の瞳を細めて見せた。
けれど、ケフィアを食べてから一週間――その間に肌が目に見えて潤いを増し、しっとり艶やかになった。効果としては知っていたがここまで、しかも思った以上に早く結果が出ると驚くばかりである。
(これだけ早く、結果が出たってことは……言わないけどお母様、便秘気味だったのかも)
それがケフィアを食べ、老廃物が排出される代わりに美肌効果や保湿効果が出た結果だと思われる。母の名誉の為に、絶対に口には出さないが。
そんなことを考えていたら、ハンナ以外のメイド達がオリヴィアを取り囲んだ。
「お嬢様! どうすれば私達も、女神様の加護を受けられますか!?」
「奥様が、ますます美しくなって……」
「食べるだけで、あんなになるなんて!」
母の生活習慣や化粧などはそのままだと、身の回りの世話をしているメイド達はよく知っている。だからこそメイド達が気になるのは解るし、ハンナもオリヴィアを気遣って詰め寄りこそしないが、メイド達とのやり取りを気にしているのが解る。
(お母様の宣伝効果がすごい)
あれだけ顕著に効果が出たのだから、気持ちは解る。作るのを追加すれば良いので、渡すことに問題はない。しかし、家族と丈夫なヨナス以外に食べさせる場合は、注意事項の説明が必要だ。
「効果には、個人差があるの。だから、効果が出なくても落ち込まないでね? あと、体に合わなかったらすぐにやめること……皆、出来る?」
「「「はいっ」」」
「解ったわ。じゃあ、追加して作るから少し待ってね?」
「「「ありがとうございますっ」」」
「いやぁ、これなら今回の女神の加護には平民も飛びつくでしょうな」
話がついたところで、今まで黙って話を聞いていたヨナスが話を切り出してきた。
「今までレシピを買っていたのは貴族に仕える料理人か、富裕層を相手にする料理人でしたけど……値段的に、すぐすぐじゃないでしょうけど。パン窯自体は城下町のパン屋にもありますし。作り方自体は簡単ですから、大枚はたいても将来的には儲かるでしょうな」
「……そう? 広まって、くれるかしら?」
「お嬢様?」
ヨナスの言葉に、オリヴィアは尋ねた。
オリヴィアの目標は、ケフィアを始めとする乳製品を広めて、最終的には女神への奉納の儀を行うことだ。
完成し、こうして効果が出た以上はヨナスの言う通りになりそうだが――オリジナルレシピの値段は、他のレシピとの兼ね合いもあるので安くは出来ない。だから今までの乳製品レシピも、ある程度は売れたが貴族に仕える料理人や、富裕層を相手にする料理人にしか買われていないのだ。悪用はされずに済んでいるが、奉納の儀には平民も参加してほしいので、平民にも乳製品レシピを広めたいと思っているのだが。
「じゃあ、まずは城下町にオリヴィアのレシピが食べられる店を出すのはどうだ?」
「……ヴァイス?」
「安売りはしないけど、一回きりにならないように馬鹿高くはしない。それなら平民でも食べに来られるし、レシピの価値が解ればヨナスの言う通りに買うんじゃないか?」
問い返したオリヴィアにそう言って、ヴァイスはニッと金色の瞳を細めて見せた。