もういちど初めからー塩キャラメルとビターチョコー
13.ずっと好きだった
13.ずっと好きだった
「明緒ォ。今日はバスケだ。行くぞっ」
お弁当を広げたばかりの昼休み。
教室のうしろドアから慎吾のでかい声。
「……うるさいな。昼休みはご飯を食べる時間だって。何度言ったらわかるのよ」
「飯ぐらい3時間目が終わったら食っとけって、何度言ったらわかるのよ」
あたしの声までまねた慎吾の返しにみんなが笑う。
野太い声で笑った男子たちが、お弁当箱をガチャガチャとしまいだす。
「藤島ぁ、場所取りしてんのかぁ?」
「おう。佐藤にやらせてるから、おまえらも来いよ。集まればフルでやろうぜ」
声をかけた男子にこたえながら、慎吾はあたしの横でニコニコしてる。
「ほら。行こうぜ、明緒」
「…………」
どうこたえたらいいのか。
いまだに迷うあたしの代わりに
「いいかげんにしなさいよ」ため息をついたのは涼子だ。
「女子に5分で食事をさせようなんて……。あなた、最低ね」
「ぺちゃくちゃしゃべってなきゃ飯なんて10分で食えるだろ。なあ明緒」
そこであたしに同意を求めるな。
あたしだって女子会のスロースピードには一所懸命あわせてるんだから。
慎吾を無視しながら、それでも卵焼きを切り分けもせず口に放りこんだあたしに気づいて、ため息をついたのは三木ちゃん。
「藤島くん……。20分で行くから。先に遊んでなさい」
とたんに、寄せた机を囲んでいたみんなが「ぷぷっ」と唱和。
幼稚園生あつかいされたことに気づかない慎吾はガッツポーズだ。
「うし。今日も全勝だぞ、明緒」
「…………」
心では「うん!」と言ったのに言葉にはできなくて。
お弁当箱にうつむいたあたしに「ふふ」またみんなが笑う。
「明緒ォ。今日はバスケだ。行くぞっ」
お弁当を広げたばかりの昼休み。
教室のうしろドアから慎吾のでかい声。
「……うるさいな。昼休みはご飯を食べる時間だって。何度言ったらわかるのよ」
「飯ぐらい3時間目が終わったら食っとけって、何度言ったらわかるのよ」
あたしの声までまねた慎吾の返しにみんなが笑う。
野太い声で笑った男子たちが、お弁当箱をガチャガチャとしまいだす。
「藤島ぁ、場所取りしてんのかぁ?」
「おう。佐藤にやらせてるから、おまえらも来いよ。集まればフルでやろうぜ」
声をかけた男子にこたえながら、慎吾はあたしの横でニコニコしてる。
「ほら。行こうぜ、明緒」
「…………」
どうこたえたらいいのか。
いまだに迷うあたしの代わりに
「いいかげんにしなさいよ」ため息をついたのは涼子だ。
「女子に5分で食事をさせようなんて……。あなた、最低ね」
「ぺちゃくちゃしゃべってなきゃ飯なんて10分で食えるだろ。なあ明緒」
そこであたしに同意を求めるな。
あたしだって女子会のスロースピードには一所懸命あわせてるんだから。
慎吾を無視しながら、それでも卵焼きを切り分けもせず口に放りこんだあたしに気づいて、ため息をついたのは三木ちゃん。
「藤島くん……。20分で行くから。先に遊んでなさい」
とたんに、寄せた机を囲んでいたみんなが「ぷぷっ」と唱和。
幼稚園生あつかいされたことに気づかない慎吾はガッツポーズだ。
「うし。今日も全勝だぞ、明緒」
「…………」
心では「うん!」と言ったのに言葉にはできなくて。
お弁当箱にうつむいたあたしに「ふふ」またみんなが笑う。