もういちど初めからー塩キャラメルとビターチョコー
「ディフェンス!」
 わかってるよ。
 走り出しているあたしの横を、ひゅんと風を起こして過ぎ去る慎吾(しんご)
 長い腕でパスカット。
 ピポットターン。
 逆サイドに走ったあたしにノールックパス。
「ヘイ!」
 でも、あたしにボールを集めたがる慎吾の動きは読まれていて。
 囲まれる!
 思ったときには、胸を突かれて。
 「キャアアアアアアア」「いやぁぁぁぁ」
 (うるさいしぃ)
 思いながら、背中からフロアに傾いでいく上半身を止められないまま覚悟。
 ダダーン!
 床が衝撃に鈍い音を轟かせたとき
「…いっ、てぇぇぇぇぇ!」
 うなったのは慎吾だった。
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