もういちど初めからー塩キャラメルとビターチョコー
身体中に移った慎吾の体温がたまらなかった。
かばわれて、結果的に抱きしめられてしまったときだって混乱したのに。
いまのなによ。
なんなのよ。
「友だちだって言ったじゃん!」
怒っているあたしの視線を受け止めない慎吾が、たまらなかった。
あたしにふれた指をぎゅっと握りしめた慎吾が背中を向ける。
「ご…めん」
「あ…やまるくらいなら、するなっ!」
「ごめん」
(こんなときばっかり……)
そんなふうに、自分のしたことに自分で傷ついたようなふりを、あたしの前でするくらいなら、どうして友だちにもどろうなんて言ったの?
きみの言う友だちって……なに?
きみは、どうしたいのよ。
「あ…たしをどうしたいの、よ!」
慎吾の残した熱が引いて、きゅうに冷たくなった身体を自分の腕で抱きしめる。
「こんなんじゃもう、もどるしか…ないよ? ずっと口もきかないでいた、中学のときみたいに、もどるしか……」
振り向いた慎吾が首を振る。