もういちど初めからー塩キャラメルとビターチョコー
2.女の子とか男の子とか
2.女の子とか男の子とか
なにも、あたしは別に、女子にキャーキャー言われたいわけじゃない。
ないけど。
そのままの自分でいたい!
と、思ったあたしを受けいれてくれたのは女子だったから。
なんとなく、あたしのまわりにはいつも女子がいて。
それが気にいらないバカ男には、あたし、城ヶ根 明緒は、
『ああ、あの、おとこ女』とかいうことになるらしいけど――。
脱衣場にもやっている湯気を窓を開けて追い出して、鏡の前に立つ。
「くやしかったら、おんな男になってみろっつーの」
ふくらんだ胸を両手で隠せば、鏡のなかのショートカットの子は、女の子でも男の子でもない、あたしだ。
なにも隠さなくても“あたし”でいられれば、もっと自由になれるのに。
どうしてひとは、いつの間にかふたつに別れていくんだろう。
おまけに女の子側に入ったとたん、世の中やっちゃいけないことばかり。
登っちゃダメ。
たたいちゃダメ。
またいじゃダメ。
どなっちゃダメ。
あれもこれもダメ、ダメ、ダメ。
あたしはあたし。
やりたいこともできることも、ムカシからちっとも変わっちゃいないのに。
なにも、あたしは別に、女子にキャーキャー言われたいわけじゃない。
ないけど。
そのままの自分でいたい!
と、思ったあたしを受けいれてくれたのは女子だったから。
なんとなく、あたしのまわりにはいつも女子がいて。
それが気にいらないバカ男には、あたし、城ヶ根 明緒は、
『ああ、あの、おとこ女』とかいうことになるらしいけど――。
脱衣場にもやっている湯気を窓を開けて追い出して、鏡の前に立つ。
「くやしかったら、おんな男になってみろっつーの」
ふくらんだ胸を両手で隠せば、鏡のなかのショートカットの子は、女の子でも男の子でもない、あたしだ。
なにも隠さなくても“あたし”でいられれば、もっと自由になれるのに。
どうしてひとは、いつの間にかふたつに別れていくんだろう。
おまけに女の子側に入ったとたん、世の中やっちゃいけないことばかり。
登っちゃダメ。
たたいちゃダメ。
またいじゃダメ。
どなっちゃダメ。
あれもこれもダメ、ダメ、ダメ。
あたしはあたし。
やりたいこともできることも、ムカシからちっとも変わっちゃいないのに。