もういちど初めからー塩キャラメルとビターチョコー
3.100点の男
3.100点の男
「おはよう、明緒」
「ん。おはよ、涼子。ちょっとそっち、つめられる?」
「うん」
毎度代わりばえのしない、ぎゅうぎゅうづめの朝の通学電車。
あたしと涼子は、たまに示し合わせていつもとちがう車両に乗ってみる。
朝の電車は、みんなだいたい乗る車両が決まっていて、同じ時間の同じ車両は、毎日同じ顔ばかりでつまらないって、いつだったか涼子がなげいたからだ。
そして始めるマン・ウォッチング。
もっとも、このいじわるな遊びには、涼子によると、見つけろ明緒のカレシくん! という副題がついているらしく。
もっぱら標的を見つけるのは涼子で、審査員はあたしなんだけど。
「15点!」
あたしの採点に、涼子が吹き出した。
「それはひどいよ、明緒」
笑ってしまった顔を隠すように涼子があたしの肩に顔をふせる。
あたしより14センチ小さい涼子の頭は、そうするとちょうどあたしの鼻のあたりにきて、シャンプーの香りがプーンとする。
自分とちがうだれかの髪の匂いは、不思議にセクシー。
それが、お風呂場でのヌードと結びつくせいなのかな。
あたしが男だったら、鼻血もんだな、きっと。
ああ、女でよかった。
(えっ?)
「おはよう、明緒」
「ん。おはよ、涼子。ちょっとそっち、つめられる?」
「うん」
毎度代わりばえのしない、ぎゅうぎゅうづめの朝の通学電車。
あたしと涼子は、たまに示し合わせていつもとちがう車両に乗ってみる。
朝の電車は、みんなだいたい乗る車両が決まっていて、同じ時間の同じ車両は、毎日同じ顔ばかりでつまらないって、いつだったか涼子がなげいたからだ。
そして始めるマン・ウォッチング。
もっとも、このいじわるな遊びには、涼子によると、見つけろ明緒のカレシくん! という副題がついているらしく。
もっぱら標的を見つけるのは涼子で、審査員はあたしなんだけど。
「15点!」
あたしの採点に、涼子が吹き出した。
「それはひどいよ、明緒」
笑ってしまった顔を隠すように涼子があたしの肩に顔をふせる。
あたしより14センチ小さい涼子の頭は、そうするとちょうどあたしの鼻のあたりにきて、シャンプーの香りがプーンとする。
自分とちがうだれかの髪の匂いは、不思議にセクシー。
それが、お風呂場でのヌードと結びつくせいなのかな。
あたしが男だったら、鼻血もんだな、きっと。
ああ、女でよかった。
(えっ?)