もういちど初めからー塩キャラメルとビターチョコー
 だって、そんな……、あんまりだ。
明緒(あきお)?」
 返事なんか、できない。
 したくない。

 あたしよりアイツがいいって言うんでしょ?
 あたしのこと、じゃまだって言うんでしょ?
 友だちより、男の子を取るって言うんでしょ?

 涼子(りょうこ)の手が机ごしに伸びてくる。
 ピンクのマニキュアをぬった細い指先が、あたしの腕に着地した。
「明緒? 怒ったの?」
「うん」
 (みょう)に冷めた気分だ。
 友情なんて簡単にこわれるってこと、あたしはもう経験ずみだから。
 あたしの腕にのった涼子の指に力が入る。
「だったら、あやまるからぁ」
 甘えた声を出されても、いつもみたいに許せない。
「…………」
 無言で顔をそむけると、涼子は机に身体をのりだしてきた。
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