もういちど初めからー塩キャラメルとビターチョコー
「な!」
 びっくりした。
「なにを、言って……」
「おまえ――、ずっとだれも寄せつけなかったのに……。いきなり(あずま)なんかとくっつくから。おれ、知りたくて……。なんで…なのか、知りたくて――…」
慎吾(しんご)……」
 なに言ってる…の。
 なに言ってるの?
「気づかなかったのか? ほんとにおまえ、気づかなかったのかよ、明緒(あきお)
 気づくわけ…ない。
「や…めてっ」

 あたしたちは、ちがうんだから。
 ここで幸せに遊んでいたコドモと、もうちがう!

(だって……)
 そんなの、だめだ。
「だって、あたしは…」
「わかってる。言うな」
(許せない。許せない、許せない!)
 許せない!
 ぶんぶんと首を振るだけになったあたしを、藤島はつかまえている。
 あたしは――
 あたしは動けない。
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