もういちど初めからー塩キャラメルとビターチョコー
「慎吾…」
気がつけば、あたしはまた、ひとりぼっち。
夢のなかのあたしみたいに、ひとりぼっち。
だけど、怒りのないひとりぼっちは、ものすごく寂しくて。
あたしの気持ちは追いかけていた、アイツの背中を。
「ああ……」
どうしてよ。
あたしはあんなやつ、大っきらいなはずなのに。
どうしてこんな気持ちになるの?
「こ…んなの、ダメだ」
4年間、つらかったんだから。
ずっとずっとつらかったのは、あたしなんだから。
『おれたちは友だちじゃなかったのかよ?』
『おれ…ずっと、つらかったんだ』
『明緒』『明緒』『明緒』
頭のなかを、アイツの言葉がうずまいている。
「ちがう、のに」
あたしがおぼえてなくちゃいけない言葉は、ちがうのに。