もういちど初めからー塩キャラメルとビターチョコー
頭をぽりぽりしてる慎吾にどなってやりたいけど、母さんの手前それもできなくて。
あたしは母さんに背中を向けたまま黙って慎吾をにらみつける。
「やぁだぁ!」母さんが突然、頭のてっぺんから声を出してあたしの背中をたたいた。
「うわ、ごめーん。ママったら、にぶーい。そうか! そうなのね?」
「………は?」
相づちを求められた慎吾も困ってるけど。
「やだ、明緒ちゃん! そうならそうって言えばいいじゃない、やぁねぇ」
背中をパンパンたたかれているあたしは、もっとわからない。
「ちょっ…。なんなのよっ」
イライラして振り向くと
「なんなのって……」くすくす笑いながら母さんが、慎吾とあたしを交互に見た。
「あなたの例のボーイフレンドって、慎吾ちゃんだったのね」
はぁあああああ?