もういちど初めからー塩キャラメルとビターチョコー
あわてて午後いちの数学セット一式を机の上に出したわたしの目の端で、今日も涼子が騒々しくお弁当箱をバッグに詰めこんでいるのが見えた。
「ちょっと! あなた、なにしに来たのよ!」
ああ。早速どなってる。
「いいだろ別に。おまえに用があるわけじゃねえもん、ほっとけや」
毎回毎回、あきずにこの騒ぎ。
でも、そうやって慎吾が涼子に冷たくすることが、ほかの子たちの優越感をくすぐるのか、いつのまにかそんなふたりのまわりにひとが集まって。
涼子は、ひとりぼっちじゃなくなった。
(はぁ……)
慎吾は気がついているのかな。
「よう。なにやってんの? 真面目かっ」
机の上に、涼子のブロックをものともせずに超えてきた慎吾の影が落ちる。
「見ればわかるでしょ?」
そう。
いいかげん、わかってほしい。
あたしがきみを、さけていること。
友だちにはもどれない。
あたしはちゃんと、そう言ったんだから。
「ちょっと! あなた、なにしに来たのよ!」
ああ。早速どなってる。
「いいだろ別に。おまえに用があるわけじゃねえもん、ほっとけや」
毎回毎回、あきずにこの騒ぎ。
でも、そうやって慎吾が涼子に冷たくすることが、ほかの子たちの優越感をくすぐるのか、いつのまにかそんなふたりのまわりにひとが集まって。
涼子は、ひとりぼっちじゃなくなった。
(はぁ……)
慎吾は気がついているのかな。
「よう。なにやってんの? 真面目かっ」
机の上に、涼子のブロックをものともせずに超えてきた慎吾の影が落ちる。
「見ればわかるでしょ?」
そう。
いいかげん、わかってほしい。
あたしがきみを、さけていること。
友だちにはもどれない。
あたしはちゃんと、そう言ったんだから。