もういちど初めからー塩キャラメルとビターチョコー
「おっ? おれたちが次やるとこ、終わってるじゃん、ラッキー」
教科書の書きこみを見て、慎吾が勝手にとなりの席の椅子を引っぱりだした。
反対向きにまたがって、背もたれにひじをのせる。
「それ、貸してくれよ。ノートとセットで、さ」
「ばかなの? 明緒はそういうずるいこと、きらいよ」
あたしの代わりに返事をしたのは涼子。
自分も椅子を引っぱってきて、あたしの身体にくっつくようにちょこんと座る。
「だから! おまえには聞いてねえって」
また言いあいが始まりそうな気配に、あたしがうんざり顔を上げると、もう何人か、おもしろそうに集まってきていた。
それに気がついた慎吾が、あたりを見回して、にっこりお愛想笑い。
「それじゃ、おれは、どうしたらいいんでしょう?」
そのひとことで、
「あ、じゃあ、あたし、貸してあげようか?」「あたし、貸せるよ」
あわてて自分の席に走った子が、少なくても3人。
一番素早かっただれかのノートを、
「サンキュ」
慎吾はあっさり受け取った。
教科書の書きこみを見て、慎吾が勝手にとなりの席の椅子を引っぱりだした。
反対向きにまたがって、背もたれにひじをのせる。
「それ、貸してくれよ。ノートとセットで、さ」
「ばかなの? 明緒はそういうずるいこと、きらいよ」
あたしの代わりに返事をしたのは涼子。
自分も椅子を引っぱってきて、あたしの身体にくっつくようにちょこんと座る。
「だから! おまえには聞いてねえって」
また言いあいが始まりそうな気配に、あたしがうんざり顔を上げると、もう何人か、おもしろそうに集まってきていた。
それに気がついた慎吾が、あたりを見回して、にっこりお愛想笑い。
「それじゃ、おれは、どうしたらいいんでしょう?」
そのひとことで、
「あ、じゃあ、あたし、貸してあげようか?」「あたし、貸せるよ」
あわてて自分の席に走った子が、少なくても3人。
一番素早かっただれかのノートを、
「サンキュ」
慎吾はあっさり受け取った。