七色の魔法使い#3~大地が奏でる幻想曲を~
春休みが明けて、僕らは高校2年生になった。

今日は3時間だけしか授業が無くて、昼ご飯を家で食べてからフォルトゥナに遊びに来た。

「……冬都(ふゆと)」

「大智(だいち)……輝一(きいち)は?」

部屋を見渡すと、この部屋には僕とアイビーと輝一の双子の弟の大智しかいなかった。

「輝一は、お母さんと一緒に買い物に行ってる。だから、僕だけフォルトゥナに来たんだ」

大智は、そう言って微笑む。

「……冬都、大智……あなた方に頼みがあります」

アイビーは、服のポケットから1枚の紙を取り出した。

「この依頼を頼みたいんです……僕は、他の依頼がありまして……エデンまで行って、手続きしないといけないのですが……」

「……エデン?」

大智の言葉に、アイビーは頷く。

「エデンは、フォルトゥナにある町です。エデンでは、冒険者登録やギルドというものを結成することが出来るんですよ。冒険者というのは、僕のように妖魔を討伐する仕事をします」

「そうなんだ……とりあえず、僕と冬都でエデンって町に行って、この依頼を受けたら良いんだね?」

大智は微笑むと、アイビーから紙を受け取った。

「はい。エデンまでは、僕が案内します。ついてきてください」
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