七色の魔法使い#3~大地が奏でる幻想曲を~
館がある森を抜けて、歩くこと数分。アイビーは、町に入ってすぐに立ち止まった。
「ここがエデンです。依頼を受けれる場所……ギルド本部は、この道を真っ直ぐに行けばありますので」
アイビーはそう言うと、ギルド本部とは別の方向に歩き出す。それを見送った後、僕は辺りを見渡した。中世ヨーロッパのような町並みだ。
「……冬都、行こう」
大智は、ギルド本部に向かって歩き出した。僕は、大智の後をついて歩く。
少し歩くと、突き当たりに大きな建物が見えた。
「ギルド本部って、あの建物かな?」
「……そうだと思う」
大智の呟きに、僕は答える。僕と大智は、ギルド本部だと思う建物に入ると、辺りを見渡した。
「……すみません。この依頼を受けたいんですけど……」
受付にいる女性に、大智はアイビーからもらった紙を渡す。
「……分かりました。この依頼であれば、冒険者で無くても、大丈夫そうですね」
僕が腰に差してる刀に目を移した女性は、依頼内容をもう一度読むと微笑んだ。
僕と大智が受ける依頼は、簡単な討伐依頼。妖魔を1匹退治してくれ、という依頼なんだ。普通の依頼だと、妖魔の数は少し増えるみたい。
「……完了です。依頼を受けるのは、今回が初めてですか?」