惚れたら最後。
アイカワミカ、と発言したとたんに壱華の瞳から光が消え失せた。
露骨な反応に驚いて話を続けることをためらったけど、構わず続けた。
「中嶋琥珀と名乗っていますが、元の名前は相川ゆなと言います。
4歳の時に高架下に捨てられ、私を拾ってくれた恩師に養子にしてもらって以降、15歳の時に今の名前に改名しました」
「捨てられた……?じゃあ、どうして」
どこが呆然と過去を振り返っていると、壱華が少し震えている声で訊ねてきた。
しかし、すぐさま厳しい表情の組長によって声がさえぎられる。
「壱華、無理して気丈に振る舞おうとするな。
で、お前は何が言いたい。妻を不用意に傷つけようとするのなら即刻排除する」
睨みつけられ、胃の底がすくみ上がるような感覚を覚えた。
しかし恐ろしさに負けじと手をぎゅっと握りしめ声を発する。
「あなたも気になっていたのではないのですか?相川美花と相川実莉が行方を眩ませたあとどうなったのか」
そんな中絆は状況を掴めないのか、私の顔と両親の顔を交互に見つめていた。
どうやら壱華は息子に自分の過去を伝えていなかったらしい。
いや、賢明な判断だ。
彼女の痛ましい過去は知らない方がいい。
露骨な反応に驚いて話を続けることをためらったけど、構わず続けた。
「中嶋琥珀と名乗っていますが、元の名前は相川ゆなと言います。
4歳の時に高架下に捨てられ、私を拾ってくれた恩師に養子にしてもらって以降、15歳の時に今の名前に改名しました」
「捨てられた……?じゃあ、どうして」
どこが呆然と過去を振り返っていると、壱華が少し震えている声で訊ねてきた。
しかし、すぐさま厳しい表情の組長によって声がさえぎられる。
「壱華、無理して気丈に振る舞おうとするな。
で、お前は何が言いたい。妻を不用意に傷つけようとするのなら即刻排除する」
睨みつけられ、胃の底がすくみ上がるような感覚を覚えた。
しかし恐ろしさに負けじと手をぎゅっと握りしめ声を発する。
「あなたも気になっていたのではないのですか?相川美花と相川実莉が行方を眩ませたあとどうなったのか」
そんな中絆は状況を掴めないのか、私の顔と両親の顔を交互に見つめていた。
どうやら壱華は息子に自分の過去を伝えていなかったらしい。
いや、賢明な判断だ。
彼女の痛ましい過去は知らない方がいい。