惚れたら最後。

車を駐車場に停めたあと、流星と星奈を起こして車内から出た。

憂雅さんは酔っ払ってフラフラだったので力さんに肩を貸してもらってなんとか歩いていた。



「ったく、憂雅重くなったな〜。
吹けば飛ぶようなチビが今じゃ俺とあんまり身長差ねえもんな」

「うぅん……」



力さんは彼を事務所に置いてある3人がけの縦長のソファーまで運んでくれた。



「力さん、ありがとう」

「いいってことよ、それじゃあな」




彼が帰ったあとも、憂雅は構わずソファを陣取って爆睡だ。



「……憂雅さんって酒癖悪いの？」

「いや、今日は親父にしこたま飲まされてこの有様に……」

「壱華さんが初恋の人だからってお父さんに目の敵にされてるんだっけ？」

「はは、そうそう。ガキの頃の話だっつっても信じてもらえないらしくってさ。
放っておこう、寝れば回復する」

「そうだね」



時刻はもう18時過ぎ。

今日は絆の家に泊まることにして、冷蔵庫に買いだめしておいた食材で適当に晩御飯を作って子どもたちに食べさせた。

そのあと、ふたりは遊び疲れていたのか寝室に行ってすぐ寝てしまった。

流星と星奈がぐっすり寝ているのを確認し、洗い物を始めた。

すると、絆が後ろから優しく抱きしめてきた。