惚れたら最後。





帰宅後、引越し準備のため手付かずの夢の部屋を片付けることにした。



「よぉーし、今日はみんなで夢の部屋を片付けるよ」

「うん!おれ気合い十分だよ!」

「わたしもがんばる!」



流星と星奈は袖をまくってやる気まんまんだ。

残すものと捨てるものを選別して子どもたちに渡し、ゴミ袋にまとめてもらった。



「あ、アルバムでてきた。流星と星奈かーわいいなぁ2人とも」



途中押し入れから3冊のアルバムを見つけた。

比較的新しいアルバムを開くと流星と星奈の小さい時の写真がたくさん貼られていた。



「お姉ちゃんそれ見てたら日が暮れちゃうよ」

「えへへ、ごめん」



星奈に注意され、見るのをやめてそれを足元に置いた。

その後夢の部屋の整理は半日に及び、疲れた子どもたちはお風呂に入ってご飯を食べると早々に眠ってしまった。

私はまだ夢の部屋で片付けを続けていた。



「はあ、疲れた」



でもやっぱり集中力が続かなくて座り込むと、手に何か当たった。

見るとさっきよけて置いておいたアルバムだった。

私は気分転換にそれをじっくり眺めることにした。
< 168 / 312 >

この作品をシェア

pagetop