惚れたら最後。
流星と星奈を引き取って間もない頃の写真、少し成長して夢を「ママ」と呼ぶようになった頃の写真。

カラフルにデコレーションされているアルバムは愛がこもっていて、ちょっと泣きそうになった。



「夢ってばこんな手の込んだアルバム遺してたんだ。
生前一緒に見たかったのに」



悲しげに呟いた後、2冊目のアルバムを開いて息を飲んだ。

それは私を被写体としたアルバムだったからだ。


4歳、バースデーケーキの前でやせ細った無表情の幼女と、隣で口を大きく開けて笑う夢。


5歳の誕生日、1年前に比べると表情がいきいきしてカメラに向かってはにかんでいる。


6歳、「今日の主役」と書かれたタスキをかけて満面の笑みを浮かべてピースサイン。




「……幸せそうな顔。夢が撮ってくれたからかな」




自然と頬が緩んで幸せな気持ちになった。

愛されてたんだなぁ、と嬉しいのに泣きそうな気持ちになった。



「……ん?なにこれ」



しかし、最後のページに違和感を覚えて感情がリセットされる。

中央に真っ白の手紙用の封筒が貼り付けてあった。

封はしていなかったので中身を取り出すと───3枚の便せんが入っていた。



「……いつ書いたんだろう」



カサ、不思議に思いながらそれを開いた。
< 169 / 312 >

この作品をシェア

pagetop