惚れたら最後。
「憂雅〜!わたしのぬいぐるみは?」
会話が途切れたその時、星奈が憂雅さんの足元に抱きつきながら質問した。
「星奈のぬいぐるみ?ダンボールに詰めたと思うけどなあ」
「どのダンボール?あれママにもらった大事なぬいぐるみだからダンボールから出してあげたいの」
「そっか、そりゃ早く出してやらねえと。えーっと、どれだっけ」
憂雅さんは星奈をひょいっと抱き上げると子ども部屋の方へ移動していく。
仲良しなふたりの後ろ姿を見つめていると、絆にとんとんと肩を叩かれた。
「ん?」
「さっきの話に戻すが、理叶さんは危険因子扱いされてるから、常に本家の監視下にあるんだ」
「危険因子、ねえ……私も人の事言えないからなんとも言えない気持ちだけど」
「親父は琥珀に対してそんなこと思ってねえよ。
むしろ理叶さん真面目すぎるから、琥珀が情報屋だって知ったらしばらく警戒して偵察されるだろうな。
今荒瀬組が厳戒態勢だって知ってるだろうし、何かと疑ってくると思う」
「やめて、怖いこと言わないでよ」
「うーん、こればっかりはどうだか。
あの人、俺が母さん似だから愛着あるみたいで。
実際気が合うんだ、パクられる前はよく飲みいったりしてた」
「え、マジで?」
潮崎理叶と絆は仲がいい。その情報は初耳だったからたまげた。
彼は20年前、仕組まれたとはいえ、壱華を裏切った張本人だ。だというのに息子と仲がいいなんて。
極道にしては処罰がゆるくない?
なんて感じたけど数日後、その考えが実に浅はかだったと思い知るのだった。
会話が途切れたその時、星奈が憂雅さんの足元に抱きつきながら質問した。
「星奈のぬいぐるみ?ダンボールに詰めたと思うけどなあ」
「どのダンボール?あれママにもらった大事なぬいぐるみだからダンボールから出してあげたいの」
「そっか、そりゃ早く出してやらねえと。えーっと、どれだっけ」
憂雅さんは星奈をひょいっと抱き上げると子ども部屋の方へ移動していく。
仲良しなふたりの後ろ姿を見つめていると、絆にとんとんと肩を叩かれた。
「ん?」
「さっきの話に戻すが、理叶さんは危険因子扱いされてるから、常に本家の監視下にあるんだ」
「危険因子、ねえ……私も人の事言えないからなんとも言えない気持ちだけど」
「親父は琥珀に対してそんなこと思ってねえよ。
むしろ理叶さん真面目すぎるから、琥珀が情報屋だって知ったらしばらく警戒して偵察されるだろうな。
今荒瀬組が厳戒態勢だって知ってるだろうし、何かと疑ってくると思う」
「やめて、怖いこと言わないでよ」
「うーん、こればっかりはどうだか。
あの人、俺が母さん似だから愛着あるみたいで。
実際気が合うんだ、パクられる前はよく飲みいったりしてた」
「え、マジで?」
潮崎理叶と絆は仲がいい。その情報は初耳だったからたまげた。
彼は20年前、仕組まれたとはいえ、壱華を裏切った張本人だ。だというのに息子と仲がいいなんて。
極道にしては処罰がゆるくない?
なんて感じたけど数日後、その考えが実に浅はかだったと思い知るのだった。