惚れたら最後。
chapter.1

情報屋『梟』

東京一きらびやかな、眠らない繁華街の一角にある深夜営業のバー。

クラシックの音楽が流れ、バーテンダーが酒を振る舞う、いたって普通の店。

“仕事”に来ていた私は店の情報をまとめていた。


「……はぁ」


やだやだ、無意識に情報収集しちゃうなんて職業病かな。

本来の仕事に集中しなきゃ。

そう思って周囲に目を光らせた。

気をつけないと。仕事柄、眼光が鋭いからそれだけで普通ではないとバレてしまう。

例えるなら猛禽類(もうきんるい)のような目つき──そう、つまり私が情報屋『梟』だ。
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