惚れたら最後。
エレベーターに乗って地下の駐車場から最上階の10階にたどり着いた。
エレベーターの前に大きな扉が構えてあって、両脇に組員と見られるスーツを着た男が立っていた。
男たちは望月を見ると一度深く頭を下げ、扉を開けた。
室内は大きな楕円形の机と椅子がある会議室のような空間で、数名の男たちがいた。
するとそのうちの一人が素早くこっちを見た。
絆だった。
「琥珀!」
「絆……」
絆は私ち気がつくや否や走り出し、望月に目もくれず力強く抱きしめてきた。
……もう会えないかと思ったのに。
抱きしめられて生きていることを深く実感した。
嬉しさと安堵と薄れゆく恐怖心、いろんな感情が一気に押し寄せて泣きそうだった。
「わーお、さっすがあの狼のせがれ。愛情表現が惜しげない」
ところが隣に立つ望月が見下ろして薄ら笑うような態度を見せたため涙が引いた。
絆もその発言が気になったのか、腕の力をゆるめて彼に注目する。
しかしもう一度私に視線を移して驚いたように目を見開いた。
エレベーターの前に大きな扉が構えてあって、両脇に組員と見られるスーツを着た男が立っていた。
男たちは望月を見ると一度深く頭を下げ、扉を開けた。
室内は大きな楕円形の机と椅子がある会議室のような空間で、数名の男たちがいた。
するとそのうちの一人が素早くこっちを見た。
絆だった。
「琥珀!」
「絆……」
絆は私ち気がつくや否や走り出し、望月に目もくれず力強く抱きしめてきた。
……もう会えないかと思ったのに。
抱きしめられて生きていることを深く実感した。
嬉しさと安堵と薄れゆく恐怖心、いろんな感情が一気に押し寄せて泣きそうだった。
「わーお、さっすがあの狼のせがれ。愛情表現が惜しげない」
ところが隣に立つ望月が見下ろして薄ら笑うような態度を見せたため涙が引いた。
絆もその発言が気になったのか、腕の力をゆるめて彼に注目する。
しかしもう一度私に視線を移して驚いたように目を見開いた。