惚れたら最後。
荒瀬絆
「あぁ、ダメだ。どうしようもないなこれ」
荒瀬組から依頼を受けてから3ヶ月たった。
季節はもう夏だ。
晴れ晴れとした青空の下、私は行き詰まっていた。
「外部からハッキングできない……どうなってんのよ」
荒瀬組の黒幕が誰なのか、もう判明している。
だから決定打にするための資料を探していたけど、どうやっても個人情報が入ったデータベースをハッキングできない。
三代目梟ともあろうものが管理システムに入り込めないのはなぜか。
それは荒瀬組の管理システムを作ったのが───夢だからだ。
「はあ、さすがと褒めたいところだけど、勘弁してほしいよ。
どう足掻いても先に進めない……はあ」
ここまで厳重なDBNS(データーベース管理システム)を見たことがない。
「これ、国家機密レベルのセキュリティシステムじゃん……無理」
だけど、どうしても管理システムに入り込みたい理由がある。
もしハッキングできなければ、黒幕を知る術が“荒瀬絆に接近する”方法しか残っていないから。
絶対に会うもんかと決心した手前、それだけは避けたかった。
荒瀬組から依頼を受けてから3ヶ月たった。
季節はもう夏だ。
晴れ晴れとした青空の下、私は行き詰まっていた。
「外部からハッキングできない……どうなってんのよ」
荒瀬組の黒幕が誰なのか、もう判明している。
だから決定打にするための資料を探していたけど、どうやっても個人情報が入ったデータベースをハッキングできない。
三代目梟ともあろうものが管理システムに入り込めないのはなぜか。
それは荒瀬組の管理システムを作ったのが───夢だからだ。
「はあ、さすがと褒めたいところだけど、勘弁してほしいよ。
どう足掻いても先に進めない……はあ」
ここまで厳重なDBNS(データーベース管理システム)を見たことがない。
「これ、国家機密レベルのセキュリティシステムじゃん……無理」
だけど、どうしても管理システムに入り込みたい理由がある。
もしハッキングできなければ、黒幕を知る術が“荒瀬絆に接近する”方法しか残っていないから。
絶対に会うもんかと決心した手前、それだけは避けたかった。