惚れたら最後。
真実
気がつくと見覚えのない天井が視界に映った。
夢か現実か曖昧で呆然と白い天井を眺めているとすぐ近くでカシャン、と硬いものが落ちた音がした。
「琥珀、目が覚めたのか!?」
音のした方を見ると、絆が血相を変えて寝ていたベッドに駆け寄ってきた。
「ああ、よかった……」
「……ごめんね、いろいろ」
喋ると唇が腫れぼったく、うまく発音できないことに気がついた。
ああ、こりゃ唇腫れてるなと冷静に考えたところで、絆き手をぎゅっと握られた。
その手は小刻みに震えていた。
「謝るなよ、俺は琥珀がいれば何もいらない。目が覚めてよかった」
「うん……ところで絆、なんか落としたでしょ?」
「ああ、スマホ落とした。
顔上げたら琥珀の目が開いてたからびっくりして」
絆は床に落としたらしいスマホを拾って上着のポケットに入れた。
そしてひざまずくと、もう一度その手を強く握り、祈るように自分の額に押し当てた。
夢か現実か曖昧で呆然と白い天井を眺めているとすぐ近くでカシャン、と硬いものが落ちた音がした。
「琥珀、目が覚めたのか!?」
音のした方を見ると、絆が血相を変えて寝ていたベッドに駆け寄ってきた。
「ああ、よかった……」
「……ごめんね、いろいろ」
喋ると唇が腫れぼったく、うまく発音できないことに気がついた。
ああ、こりゃ唇腫れてるなと冷静に考えたところで、絆き手をぎゅっと握られた。
その手は小刻みに震えていた。
「謝るなよ、俺は琥珀がいれば何もいらない。目が覚めてよかった」
「うん……ところで絆、なんか落としたでしょ?」
「ああ、スマホ落とした。
顔上げたら琥珀の目が開いてたからびっくりして」
絆は床に落としたらしいスマホを拾って上着のポケットに入れた。
そしてひざまずくと、もう一度その手を強く握り、祈るように自分の額に押し当てた。