惚れたら最後。
そんな他愛のない話をしながら泡を流し、自分も身体を洗おうとボディーソープを手に取った。

しかし、突然ボトルを奪い取られた。



「やっぱ俺が洗う」

「……は?」



絆は泡がついた大きな手で、まるで割れ物に触るかのように丁寧な手つきで私の身体を洗う。



「あの、お腹触るのやめてくれない?最近太ったから」

「太った?全然肉ねえじゃん」

「そう言いながらつまむな!」

「あっはは、ごめんって」



そう言いながら熱のこもった瞳を向けられ戸惑った。

私はいったい、いつになったら絆のこの色気に慣れるんだろう。

恥ずかしくなって、急激に熱くなった頬を両手で押さえた。
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