惚れたら最後。



「琥珀、化粧終わったか!?」

「無理間に合わない!車の中でする!」



翌朝、寝坊してしまった私たちはバタバタ支度をして家を飛び出した。

絆の車に乗り込み急いで目的地に向かう。



「ねえ、ところでいったいどこに向かってるの?
私適当な服装だけど大丈夫?」

「どこに向かってるかは秘密、服は別になんでもいいだろ」

「秘密って言われたら職業柄暴きたくなっちゃうんだよね。
えーっと、最近の絆の検索履歴は……」

「バカ、つまらないことでハッキングすんな!」

「冗談に決まってるじゃん、何そのあわてっぷり。
さてはエッチなサイトでも見てた?」

「は?俺がそんなこもで動じるか」

「ふーん……いや、知らないけど」



メイクしながらなのでつっこむ余裕がない。

いつもみたいに反応してくれない私に、絆はちょっと寂しそうだった。
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