惚れたら最後。
「琥珀は後悔すんなよ、自分の気持ちに素直でいろ」
「うん……」
大人はずるいと思った。
そんな真剣な表情で言われたら「うん」と言うしかない。
「幸せにな、琥珀」
拓海さんは願いを込めその言葉に自分を重ねているかのように見えた。
……ほら、そんなことを言うなんてやっぱりずるい。
なんて思ったその時。
「夢なら……夢なら笑ってこう言うと思う」
「はぁ!?泣かないでよ拓海さん!」
拓海はさん前触れもなく急に泣き出した。
車で来たと言っていたから酔っていたわけではないだろう。
シラフなのに泣き出したものだから、どうしていいか分からずとりあえずバッグからハンドタオルを取り出した。
──カシャ
「いい写真とれた!」
「……え?」
と、その時シャッター音と流星の声が聞こえた。
そっちを見ると流星が親指をぐっと立てて笑顔で近づいてきた。
「え、今の撮ったの?」
「うん、いい写真だと思うから琥珀も見てよ」
覗いたモニターには、ふんわりとぼやけた桜の花びらの向こう側で泣く拓海さんの写真が。
綺麗な景色とプロ級の腕前が相まって、さながら映画のワンシーンだ。
「うん……」
大人はずるいと思った。
そんな真剣な表情で言われたら「うん」と言うしかない。
「幸せにな、琥珀」
拓海さんは願いを込めその言葉に自分を重ねているかのように見えた。
……ほら、そんなことを言うなんてやっぱりずるい。
なんて思ったその時。
「夢なら……夢なら笑ってこう言うと思う」
「はぁ!?泣かないでよ拓海さん!」
拓海はさん前触れもなく急に泣き出した。
車で来たと言っていたから酔っていたわけではないだろう。
シラフなのに泣き出したものだから、どうしていいか分からずとりあえずバッグからハンドタオルを取り出した。
──カシャ
「いい写真とれた!」
「……え?」
と、その時シャッター音と流星の声が聞こえた。
そっちを見ると流星が親指をぐっと立てて笑顔で近づいてきた。
「え、今の撮ったの?」
「うん、いい写真だと思うから琥珀も見てよ」
覗いたモニターには、ふんわりとぼやけた桜の花びらの向こう側で泣く拓海さんの写真が。
綺麗な景色とプロ級の腕前が相まって、さながら映画のワンシーンだ。